ドコモのネットワークにGTP接続(レイヤー2)するためのメモ
ドコモMVNOのSORACOMも使っているGTP接続について信号レベルのメモ。
参考URL
- ドコモ 技術的条件集
- 700ページ以上に渡る長大なドキュメントだけど、うまく整理されていて、ポイントが押さえられている感じ
はじめに
ドコモのネットワーク、具体的にはドコモのServing GW (SGW)にGTP接続するためには PDN GW (PGW)を用意する必要がある。 GTPプロトコルは、C-planeプロトコル (GTPv2-C)とU-planeプロトコル (GTPv1-U)がある。 ドコモが準拠しているプロトコル仕様は、2016.1.7現在、以下のとおり。
- GTPv2-C: 3GPP TS29.274 v11.5.0
- GTPv1-U: 3GPP TS29.281 v11.5.0
なお、GTPv2-Cに関するシーケンスは3GPP TS23.401v8.7.0に準拠している。
技術的条件集で使わている装置の用語と3GPPで使われている用語の対応 - 直収パケット交換機: SGW - 直収回線等接続事業者ノード: PGW
GTPv2-C
- 技術的条件集の別表10-1-1 アクセス制御プロトコル仕様 (pp.581-624)に詳細仕様の記述がある
- TS29.274を参照しなくても、基本的にここに書かれている情報で大体のことがわかる
- サポートする必要がある信号
- ノード監視処理(Echo Request/Echo Response)
- セッション設定処理(Create Session Request/Create Session Response)
- ベアラ更新処理(Modify Bearer Request/Modify Bearer Response)
- セッション削除処理(Delete Session Request/Delete Session Response)
- ベアラ切断処理(Delete Bearer Request/Delete Bearer Response)
複数のPGWノードと接続させたい場合
技術的条件集によると
ユーザが接続先として指定するAPN1アドレスに対し最大8台(※1)の直収回線 等接続事業者ノードに分散させることが可能です。 ... ※1 直収回線等接続事業者1ノードにつき1つのGTPv2-C用ノードIPアドレスを 付与することを前提とします。(複数のノードを論理的に1つのノードとして GTPv2-C用ノードアドレスを1つ付与する場合は、直収パケット交換機で分散し ません。)
つまり、APN 1アドレスにつき、8つのPGW (C-plane) IPアドレスをドコモネットワーク側で 登録してもらえる(のだと思う)。
GTPv1-U
- 技術的条件集の別表10-1-2 ユーザデータ転送プロトコル仕様 (pp.625-640)に詳細仕様の記述がある
- TS29.281を参照しなくても、基本的にここに書かれている情報で大体のことがわかる
- サポートする必要がある信号
- ユーザデータ転送処理(G-PDU)
- エラーデータ処理(Error Indication)
- ノード監視処理(Echo Request/Echo Response)
シーケンス
- 技術的条件集別表10-1-3 シーケンス (pp.662-676)に正常系・準正常系のシーケンス図が描かれている
- GTPv2-C関連 (カギカッコ内はTS23.401のInformation flow名に対応)
- 接続処理 [Attach]
- 接続終了処理(移動無線装置起動)[Detach]
- 接続終了処理(直収回線等接続事業者網起動)[PDN GW initiated bearer deactivation]
- 直収パケット交換機変更 [Tracking/Routing Area Update, Service Request, Handover]
- 監視制御(GTPv2-U) [対応なし]
- 再開 (対応なし) [対応なし]
- GTPv1-U関連
- ユーザデータ転送 [対応なし]
- 監視制御(GTPv1-U) [対応なし]